日記

2020-07-04 09:53:00

みんなで食べるとおいしい!

味の教室を再開しました。

「コロナのことは気になるけど、子どもの成長にとって大切な時期に「味の教室」の体験をさせてあげられないのは問題だから、十分に気をつけてやっていきましょう」とおっしゃってくださった園長先生方の期待にこたえるようにつとめてまいります。

 

次回、2回目の講座では3種類のバナナを試食します。

緑と黄色、そしてシュガースポットの出た少し茶色くなったバナナです。

色も違い、噛み応えも違い、味も渋かったり、甘かったり、そして熟すと香りが出てきます。まさに5感で違いを感じる絶好の食材です。そして数日、緑のバナナをクラスに飾っておくと黄色く変化する姿も確認できます。生き物は変化すること、食べ物に食べごろがあることなどもあわせて感じてもらうことができます。3種のバナナを試食すると各クラスに何名かはなぜか「緑が好き!」という子がいます。固さなのかな?子どもって本当に多様だと思います。

 

このバナナを使った回で、ある保育園での出来事に私は感動しました。

バナナの試食にあたっては、いつも各班には園児人数よりも少し多めに「輪切りバナナ」を配布しますので、何切れかは余ります。

余っているバナナを見た園児が、「もっとちょーだい」とバナナを先生にねだりました。

その先生は、その園児に「それじゃ〇〇ちゃん、みんなと分け分けしてくれる」と5ミリほどの厚さの輪切りバナナを一切れ渡すと、その園児は手で小さくちぎってお友達に分けていきました。最初に大きくちぎってお友達に渡してしまったので、最後4人目の自分の分は少ししか残りませんでした。失敗した!と思ったのでしょう。もう一切れあった余りのバナナの時は、最初のお友だちには小さくちぎり、最後の自分には大きく残すことに成功しました。3歳さんの知恵はたいしたものです。感動したのはここではありません。

味の教室のしめくくりに、当日試食した3種のバナナの絵が描かれたワークシートをくばり、園児にどのバナナが一番美味しかったかをたずねたところ、その班の子ども達は、「みんなで分け分けしたのが一番美味しかった!」とこたえたのです。3歳の子ども達の素直な言葉に驚きました。

 

子ども達の姿を見ながら、人類が他の動物と違ってここまで進化してきたのは、「食べ物をわかちあう、共食の社会があったから」ということに改めて想いを馳せました。幼少期にこんな体験ができる保育園っていう場所は、本当に素晴らしいところですね。