ホンモノ体験機会の提供

1.北海道で自然の姿の食材体験

食材の本当の姿をご存じですか?自然の姿の食材に触れる機会はありますか?私たちの食べているものは、全て自然の恵み、動植物からできています。生き物である人間は自然の一部で、食から様々なパワーを得ています。この自然の恵みを眺めるだけでなく、触って、匂いかいで、調理して味わう、五感をフルに使う体験活動をしてみませんか?私たちは、子どもや子どもへの食育を担う保護者や指導者の方々に、食材を通じた生き物の不思議探検や食への感性をみがく体験教室を提供したいと考えています。

そこで、世界自然遺産「知床」の玄関口・網走に、美味しくて楽しい食材体験の拠点を設け、季節毎にそれぞれの食材の体験プログラムの提供に着手しました。北海道網走は、昔の高倉健主演映画「網走番外地」「幸せの黄色いハンカチ」などで、刑務所のある町として有名です。そのことから厳しい生活環境をイメージされるかもしれませんが、実際のところは北海道開拓を担う囚人の刑務所として、食べ物が自給自足できる環境の良い土地として選定されています。

オホーツク海に面する網走は、沿岸では昆布やウニ漁の他、水揚げ日本一の鮭やホタテが漁獲されます。毛ガニやタラバガニの他に網走7珍の「クジラ、カラフトマス、キンキ、シラウオ、ワカサギ、スケトウダラ、シジミ」などもあります。網走で捕鯨が行われていることや網走湖で漁獲されるワカサギの受精卵が、日本全国の内水面漁業者に出荷されて各地のワカサギ漁を支えていることなどは意外と知られていません。また水産加工の世界で世界3大発明の一つとされる「冷凍すり身」は網走発祥の技術です。川・湖・沿岸・沖合と漁場に恵まれた網走は、お魚好きのパラダイスです。

また大地では、小麦、ビール麦、豆類、じゃがいも、てんさい(砂糖ダイコン)、たまねぎ、かぼちゃ、アスパラ、長芋などの野菜類が大規模に作付けされ、畜産業も盛んです。またわずかですが、果樹の栽培や稲作も行われています。

当会代表の染井は、この網走の地において、網走川流域の「農業と漁業が共に自然の恵み豊かな食を後世に伝えていこう」という運動(下図参照)に関わってきた経緯から、多くの農業者や漁業者の協力を得て、皆様への体験プログラムを開発しています。

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 体験施設は網走駅から徒歩44分、車で6分のオホーツク海と知床半島を眺める高台にあります。早朝にはホタテ漁船、夕刻には底曳き漁船の音が、強風時には浜に打ち寄せる波の音が聞こえる場所です。知床半島からのぼる朝日と小鳥のさえずりや夜の星空も素敵です。

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来訪者は離れの小屋(写真下)に荷物を置いて、自然豊かな4ヘクタールの敷地内では自由に散策や採取活動ができます。入植後、放置されて原野化した敷地には現在、白樺・カラマツ・トドマツ・オニグルミ・ハリギリなどの樹木やササ、子どもの背丈ほどもあるフキ・ウド・タラ・アイヌネギ(行者ニンニク)・オオウバユリ・コクワなどの山菜やキノコが生え、エゾシカ、リス、ウサギ、オオワシやシマエナガなども遊びに来ます。若干ですが開墾した農地では、京都の味の教室で利用する食材(白花豆、紫ジャガイモ等)なども栽培しています(開墾時には黒曜石の石器も出土しました)。小川に下ればヤチブキや水芭蕉も。

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干潮時には近くの海岸に降りて砂浜で貝殻拾いなどもできます(写真下)。また秋には近くの小河川に遡上する鮭を目の前で観察することができます。なお昆布等の水産物には漁業権が設定されているので、持ち帰りは禁止です。

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現在、下記の体験プログラムを提供可能です。参加者の希望や滞在時間、季節や天候も踏まえて、子どもから大人や指導者向けに適宜アレンジして実施します。

1.底曳き漁船から提供されたタラ(マダラ、スケソウダラ)を利用した解体観察(水深200mで何を食べている?)とすり身作り

2.底曳き漁船から提供された雑魚(ホッケ、カジカ、ニシン、ハッカク、こんにゃく魚、他)の観察・調理

3.敷地内の植物の葉っぱ(ササ、ブドウ、フキ、朴、など)を飾り付けに利用した盛り付け体験

4.山菜、ベリーやキノコの観察・採取(フキ、ウド、タラ、アイヌネギ、オオウバユリ、コクワ、ヤマブドウ、グズベリー、カシス、ラクヨウ、他)

5.散策(林内の小鳥たちのさえずりを聴く散策、干潮時の海岸散策、満天の星空の下の散策、など)

6.工作(海岸で拾った貝殻や白樺の小枝、オニグルミの冬芽を使った工作、など)

7.火を使う体験(キャンプファイヤー・ダッチオーブン料理、燻製作りやBBQなど)

8.漁港での水揚げ視察(事前の許可が必要です)

9.近隣の施設訪問(荒天時など屋外での活動が困難な場合、お魚を水槽で展示する網走市水産センター、網走地方の野生生物のはく製を多数展示する網走市郷土博物館、北方民族の生活文化を紹介する北海道立北方民族博物館などを訪問)

10.?????

*****参考(車で1~2時間程度の近郊のおススメ体験施設)*****

知床五湖(散策)

遠軽町白滝ジオパーク(黒曜石石器作り)

サロマ湖ワッカネーチャーセンター(サイクリング)

網走原生牧場(乗馬)

網走湖(カヌー)

屈斜路湖を一望する藻琴山登山

熊の出没する川北温泉入浴

標津サーモンパークでチョウザメによる指パックン、など

 

2.本物の食器を使って試食体験

食事を美味しく、楽しくするには食器も大切な要素。

子どもだからといってプラスチックや紙製の使い捨てばかりでは、食事は味気ないものになってしまいます。

私たちの活動では2歳児からガラスの試食皿を使ってきましたが、過去600回以上の実践活動で子どもが割ったお皿は一枚もありません。

(活動外の持ち運び時に、代表が不注意で落として割ったのが5枚ほど、、、(泣))

現在はガラス皿に加えて、陶器皿での提供も準備中です。

京都の小さな子どもたちに、京焼の感触を体験させたい、との想いから、代表の染井が参加する器覚倶楽部のご縁で清水焼の職人さんの協力を得て試作品も出来上がりました(写真下)。子ども向けのまる、さんかく、しかくの図柄は、禅画に通じるものもあり、京都らしい素敵な図柄です。

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