日記
これ食べられるの?~新奇恐怖を克服する社会学習を保育園幼稚園で~
「食物新奇恐怖」として知られる現象があります。
2歳から6歳の間に出現がピークを迎えるとして知られています。
小さな子どもは、親から与えられる食べ物に完全に依存し、それを盲目的に食べていますが、
親の管理から離れて自立していこうとする過程で、まず「知らないものは口にしない」という態度をとるのは本能的なものです
周囲のものを手当たり次第に口にしたら、毒物でもすぐに口にして生命の危機となってしまいます
しかし、雑食動物として進化してきた私たち人間は、「いろいろなものを食べる」ことによってさまざまな環境条件でも適応して生き残る力強さを獲得してきました
そこで「食物新奇恐怖」を克服して乗り越えていくには、どういった取り組みが必要でしょうか
自分自身が身をもって体験する個体学習と、周囲の者が食べる様子を見て学ぶ社会学習があります
私たちの「じゃがいも」を使った講座の例を紹介します
「じゃがいも」の中に、見慣れない「紫のじゃがいも」を混ぜておきます
観察過程で、最初は「石ころ?」と発言した園児も、その後、触ったり匂いをかいだり、中にはトントンと机の上で叩いて打撃音を聞くことで、次第に「じゃがいも?」と思うようになります
それでも試食の際には、多くの園児が明らかに食べるのを躊躇する仕草を見せます
しかし園児の中で何人かが試食して「美味しい!」と声をあげると、その様子を見て躊躇していた子どもたちも食べ始めます
まさに「社会学習」です
こうした学習を子どもたちは毎日の給食でも、お友だちの様子を観察しながらしているのでしょうね
園の役割は大きいですね
以下の写真は、子どもたちに体験させる「中を見ないで靴下内からジャガイモを取り出す」活動の例です
あなたは、この中に「食べられないもの(ジャガイモでないもの)」がいくつあるかわかりますか?
正解はこれです
大丈夫ですか?